中国弁護士 方 善姫
北京魏啓学法律事務所
北京魏啓学法律事務所
はじめに
中国企業の技術イノベーションレベルの発展と技術研究開発能力の向上に伴い、特許権侵害紛争事件において先使用権抗弁を主張するケースが多くなる。
企業がその研究開発した技術をノウハウとして保護することは両刃の剣であり、ノウハウとして保護することは公開を回避することができるが、企業のノウハウの漏洩または第三者による独立した研究開発で、第三者が特許出願すると、最初にこの技術を開発したものの、特許出願しなかった企業は権利侵害の疑いに直面し、受動的な局面に陥ることがよくある。この場合、企業は先使用権抗弁を主張することによって、侵害責任の負担を回避できるだけではなく、従前の範囲内でこの技術を実施し続けることを確保することができる。
先使用権制度は、特許権者と公衆との利益バランスを整え、特許出願日より前にすでに実質的な技術研究開発を完了し、関連技術を実施したり、当該技術を実施するために必要な準備をできたりした主体の合法的権益を保護することを目的としている。これらの主体の先使用権を確保することを通じて、後の特許の権利化により、不当に制限されることを回避し、技術イノベーションの持続的な進行と市場の公平な競争を確保することができる。
しかし、司法実務において、先使用権抗弁が成立する割合は高くなく、その原因は特許出願日前の先行実施行為の立証がかなり難しいからだと思われる。本文は専利法及び現在の司法実務状況に基づいて、先使用権抗弁を成立させるため、企業が先行実施行為をどのように立証すべきかについて提案する。
I. 特許の先使用権抗弁の成立条件
特許の先使用権とは、特許出願日より前にすでにある発明創造を実施していたり、発明創造を実施するために必要な準備をしていたりする主体は、特許出願日の後に従前の範囲内で当該発明創造の実施を継続でき、特許権侵害行為に見なされない一種の抗弁権を指す。
専利法第75条第2項及び『最高裁判所による専利権侵害紛争案件の審理における法適用に関する若干問題の解釈』第15条の規定に基づき、さらに裁判例と結びつけて、筆者は特許の先使用権抗弁の成立条件を以下のようにまとめた。
第一に、係争特許の技術案と被疑侵害者が主張するその実施した先行技術案とは同一または均等に該当し、かつ先行技術案と被疑侵害技術案とは同一または均等に該当する、
第二に、先行実施行為は係争特許出願日より前に発生し、中国において、すでに同じ製品を製造、同じ方法を使用、または製造、使用するための必要な準備ができている、
第三に、先使用権の製造又は使用行為は従前の範囲内に限られ、特許出願日より前に既存の生産規模及び既存の生産設備を利用し、又は既存の生産準備により達成可能な生産規模を含む、
第四に、先使用権者が先に実施したのは、その独立で完成したまたは合法的に獲得した技術でなければならない。
II. 特許の先使用権抗弁の立証
1. 証明基準
実務において、ほとんどの特許権侵害紛争事件では、被疑侵害者は特許権者に権利侵害を主張された後に証拠収集を開始し、しかも係争特許出願日より前に先行技術案の実施を証明する証拠は、通常片方で作成された証拠が多く、十分な証拠によりこれらの片方で作成された証拠の真実性を裏付けられない場合、その証明効力は否定されやすい。
特許の先使用権抗弁の証明基準について、早くとも(2012)民申字第196号判例において、最高裁判所は被告の立証能力を考慮する必要があり、あまりにも厳しい基準をとるべきではないことを明らかにした。最高裁判所はこの判例で、先使用権抗弁に関わる特許権侵害訴訟において、被疑侵害者の生産、経営及び研究開発活動の実際の状況、及び当事者が関連証拠を保存、提供する実際の能力とレベルを十分に考慮し、当事者が提供した関連証拠を総合的に考慮し、事実を全面的に審査、認定すべき、当事者が提出した先使用権抗弁に関わる証拠に対し、客観的な実情に反する過酷な基準をとるべきではないと強調した。
また、民事事件の証拠は高度な蓋然性基準を採用しており、片方で作成された証拠であっても、提出された証拠の間に相互に裏付けられ、かつ第三者の証拠に裏付けられ、証拠チェーンを形成することができれば、高度な蓋然性基準を達成したと認定することができる。(2021)最高法知民終508号判例では、一審裁判所は被疑侵害者が提出した証拠の大部分が片方で作成された証拠であるため、その先使用権抗弁の主張を認めなかった。二審裁判所は、被疑侵害者が先使用権抗弁を証明するために44件の証拠を提出し、証人の出頭も申請した。これに対して、被疑侵害者が自ら技術を研究開発し、技術図面または工程書類の作成に関わる証拠がその片方で作成されたことも合理的であり、また、これらの証拠の間の内容と時間などは相互に裏付けられ、自然と結びつけることができ、メール、金型工場の証票、チャット記録、証人証言などに裏付けられるため、特許権者が反対の証拠を提出していない状況の下、採用すべきであると判定した。
したがって、企業が特許出願日より前に公証やタイムスタンプなどの手段で先行技術案の実施証拠を先行保全したことが最も望ましいが、係争特許出願日までに関連証拠を固定保全していなかった場合、先使用権抗弁の立証が成功する可能性はないわけではない。ただし、この場合、被疑侵害者の立証負担が重く、企業内部の証拠以外に、係争特許出願日より前に先行技術案の実施を証明するため、第三者(第三者が押印した契約書、インボイス(発票)など)または官庁(例えば政府機関への届出材料など)の証拠を収集、提出し、かつこれらの証拠の間に相互に裏付けられ、完全な証拠チェーンを形成し、高度な蓋然性基準を達成することが望ましい。
2. 先使用権抗弁を如何に立証するか
先使用権抗弁の立証について、筆者は上記の先使用権抗弁の成立条件に基づいて、以下のいくつかの点から整理する。
(1) 出願日より前に実施された先行技術案
被疑侵害者は、先使用権抗弁を主張する場合、特許出願日より前に実施された具体的な技術案を証明し、かつこの技術案は被疑侵害製品とは同一または均等に該当し、係争特許とも同一または均等に該当することを証明しなければならない。もし被疑侵害者が特許出願日以降に先行技術案に対して技術アップグレードを行ったが、被疑侵害製品が権利侵害に該当する請求項の範囲内で、先行技術案が係争特許とは同一または均等に該当することを証明できれば、先使用権抗弁は成り立つ。
筆者の調査によると、被疑侵害者は係争特許出願日より前に実施された具体的な技術案を効果的に証明できないため、裁判所に先使用権抗弁の主張を認められなかった事例が多い。
先行技術案の立証について、被疑侵害者は技術図面または工程書類、係争特許出願日より前に製造された製品を通じて証明することができるが、上記証拠の中で先行実施された技術案が完全に体現され、かつこれらの証拠が係争特許出願日より前に形成されたことを証明する必要がある。例えば(2021)最高法知民終1524号判例では、被疑侵害者は先行技術案が係争特許出願日より前に実施されたことを証明するために、特許出願日の前に販売された被疑侵害製品の実物を提出し、実物の実際形成時間を証明するため、被疑侵害者が案外者と締結した契約書、振替証憑、製品実物に表示された生産日などの証拠も提出した。製品の実物には明らかな使用跡があるが、銘板には製品名称、型番、被疑侵害者の企業名称などの情報が表示されており、銘板情報と契約書情報とも互いに対応している。契約書の締結時間は、銀行振替証憑及び口座取引明細に表示される支払時間と合致し、かつ当該製品は係争特許の技術案と同一に該当する。もしこの事件では、被疑侵害製者は生産日付きの被疑侵害製品の実物だけを提出する場合、製品の実物を通じてその技術案を証明することができても、ほかの裏付け証拠がない場合、この製品に表示されている生産日が真実かどうかは疑われる可能性が高い。また、提出された製品の生産日が特許出願日より前であることを裏付けられる証拠を提出したとしても、当該製品の対応する技術案が特許出願日の後に変更されていないこと、すなわち技術案を変更する修理や部品交換などを行っていないことを立証または合理的に説明しなければならないことに留意しなければならない。そうでなければ、この製品が現在具体的に体現されている技術案が係争特許出願日より前に実施された技術案であることを証明し難しい。
(2) 先行実施行為
先行実施行為について、被疑侵害者は係争特許出願日より前に、すでに同じ製品を製造、同じ方法を使用、または製造、使用するための必要な準備ができていることを証明する必要がある。上記製造、使用または必要な準備は中国で行われるべきであり、国外で製造した後に中国国内に輸入することは、先使用権抗弁に要求される先行実施行為を構成しないことに留意しなければならない。
出願日より前にすでに同じ製品を製造し、同じ方法を使用していたことの立証については、被疑侵害者が出願日より前に製品の製造または方法の使用に関する過程と結果について公証またはその他の方法で証拠保全を行ったことが望ましいが、実務において、このような「先見の明」を持つことは珍しい。より一般的なのは、権利侵害紛争が発生した後、被疑侵害者が過去の製品の製造行為、方法の使用行為に関する証拠を収集しはじめ、多くの証拠がすでに消滅しただけではなく、その真実性も質疑されやすい。比較的に一般的な証明方法は、上記(2021)の最高法知民終1524号判例のように、係争特許出願日より前に販売された製品の実物及び取引書類などを立証することである。
出願日より前にすでに生産された製品の実物証拠を取得し難しい場合、多くの事例では、被疑侵害者は「製造、使用のための必要な準備ができている」証拠をもって先使用権抗弁を主張する。
「製造、使用のための必要な準備ができている」ことについて、最高裁判所による『専利権侵害紛争案件の審理における法適用に関する若干問題の解釈』第15条には、「被疑侵害者が不法獲得した技術若しくは設計をもって、先使用権抗弁を主張する場合、裁判所はこれを支持しない。以下のいずれかの情況に該当する場合、裁判所は、専利法第69条(2)号に定めた、すでに製造、使用のための必要な準備をできていると認定しなければならない。(1)発明創造の実施に必要とされる主要技術図面若しくは工程書類が既に完成されている、(2)発明創造の実施に必要とされる主要設備又は原材料が既に製造又は購入されている」と規定されている。
上記の規定によると、被疑侵害者は「必要な準備」ができていることを証明するため、技術図面や工程書類、または先行技術の実施に必要な主要設備や原材料に関する証拠を準備することができる。ただし、先行技術案の実施に必要な技術図面とは、スケッチ、略図、模式図などのように、さらに細分化する必要がある工程書類ではなく、完全かつ詳細で、すぐに実施することができる技術図面または工程書類を指すことに留意しなければならない。例えば(2019)最高法知民終458号判例では、被疑侵害者は係争特許出願日までに必要な準備ができていることを証明するために、顧客に送信したメール、被疑侵害トロッコの車種図などの証拠を提出した。しかし、裁判所は、その提出されたメールに添付された図面や車種図は技術図面または工程書類ではなく、ただの写真で、この図面だけに基づいてすぐに実施できないため、その証明目的を達成することはできないと判断した。また、主要設備又は金型は、一般的な加工又は生産を行う汎用設備ではなく、発明創造を実施するために必要な特殊設備又は金型を指す。筆者が代理した(2022)最高法知民終1024号事件では、被疑侵害者は係争特許出願日までに被疑侵害製品を製造するために必要な準備ができていることを証明するために、係争特許出願日より前に購入したファスナーを製造する機械設備に関する証拠を提出した。これに対し、裁判所は係争特許出願日より前に設備を購入した事実を認めたが、これらの設備は被疑侵害製品を製造するための専用設備ではないため、被疑侵害製品を製造するための必要な準備ができていることを証明することはできないと認定した。
以上のことから、企業は「必要な準備」に関する証拠を準備する際、図面の形成や設備の購入の時点を考慮するほか、図面や工程書類が直ちに先行技術案を実施する程度に達するかどうかを考慮しなければならず、さらに技術図面や工程書類には先行技術案の実施手順や内容を完全で具体的に体現されていることや主要設備で先行技術案をどのように実現されるかなどの内容も考慮しなければならない。
(3)従前の範囲
従前の範囲について、被疑侵害者が積極的に立証すべきか否か、またどのように立証すべきかは、実務上、関心を集集めており、筆者も司法実務において、「従前の範囲」の立証に対する裁判所の認定基準が完全に統一されていないことに気づいた。例えば(2021)粤民終2855号判例では、裁判所は被疑侵害者が提出した証拠は特許出願日までに被疑侵害製品を製造するための必要な準備ができていることを証明できると判断したが、特許出願日までにすでに備えていた生産規模の状況、既存の生産設備を利用して、または既存の生産準備によって達成できる生産規模の状況を証明できる如何なる証拠も提出しておらず、現在の生産規模が「従前の範囲」内にあることを証明できる如何なる証拠も提出していないので、その先使用権抗弁の主張は支持しなかった。また、(2017)最高法民申972号事件では、最高裁判所は被疑侵害者が係争特許出願日より前に、被疑侵害製品が既に量産されていたと主張しているが、被疑侵害者はその既存の生産規模を証明する証拠を提出しておらず、自分の既存の生産設備、及び既存の生産設備を利用してどのような生産規模に達成できることを証明する如何なる証拠も提出しておらず、かつ被疑侵害者も係争特許出願日以降に前述の生産規模内に限られ、権利侵害製品の製造と販売を継続していることを証明できる証拠も提出していないため、その先使用権抗弁の主張を支持しなかった。よって、これらの判例では、裁判所が従前の範囲に対する立証の要求は、被疑侵害者が積極的かつ十分な立証を行うことである。
しかし、最高裁判所による(2021)最高法知民終508号判例では、裁判所が従前の範囲に対する立証要求は、被告が初歩的に立証して証明すればよく、特許権者が十分な反証を提供して覆られない場合、通常被疑侵害者が従前の範囲内で実施していると認定できる。また、最高裁判所による(2021)最高法知民終1524号判例でも、同様の基準が採用されている。この事件では、裁判所は、通常、生産主体の住所地、登録資本金や経営範囲などに変化がない場合、製造規模が拡大する可能性が低い。審査を経て被疑侵害者が提出した「企業信用情報公示報告書」によると、被疑侵害者は2016年9月9日に設立されてから、本案一審の立案日2019年7月4日まで、その登録資本金、住所地、経営範囲及び高級管理者に変更がなく、特許権者も被疑侵害者の実際の生産規模がその従前の範囲を超えていることを証明する証拠を提出していないため、被疑侵害者が本件一審の立案日までに従前の範囲内で関連製品を製造していると認定することができると判断した。
上記の最高裁判所の判例から分かるように、最高裁判所が従前の範囲に対する立証責任の要求も変化しており、ここ数年の判例において、裁判所は被疑侵害者を「厳しく要求」していない。被疑侵害者がその従前の範囲を初歩的に立証できれば、特許権者が被疑侵害者の被疑侵害行為の規模がその従前の範囲を超えていることを反証を提供して証明しなければならない。しかし、具体的な事件において特許権者が反証を提出する可能性や従前の範囲を合理的に覆す可能性を考慮しなければならないため、この立証責任が適切に緩和されたことは、企業が消極的に立証することができるか、立証しないことができることを意味するわけではない。したがって、被疑侵害者は「従前の範囲」の立証に尽力したほうがよい、例えば、出願日より前に、金型や設備の外注状況、設備の生産能力などを立証し、または企業登録情報の立証を通じて住所地、登録資本金と経営範囲などに変化がないことを合理的に説明したほうがよい。
(4) 先行技術案の合法的な出所
『最高裁判所による専利権侵害紛争案件の審理における法適用に関する若干問題の解釈』第15条には、「被疑侵害者が不法獲得した技術若しくは設計をもって、先使用権抗弁を主張する場合、裁判所はこれを支持しない。」と規定されている。
上記の規定は、先使用権を主張する技術案や設計案が不法に取得したり、合法的な使用権を取得していない他人の営業秘密や未発表作品から由来したりするなど、被疑侵害者が他人の合法的な権益を侵害する方法で取得した技術案や設計案を先行使用の証拠とすることは、当該技術案や設計案を取得または使用する行為自身が合法ではないので、先使用権抗弁の根拠としてはならない。当該条項には、被疑侵害者が自分が開発または設計した技術案を先行使用の根拠としなければならないことを明らかに要求しておらず、被疑侵害者が主張する技術または設計は、他人の合法的な権益を侵害しない限り、先使用権抗弁の根拠とすることができる。
実務において、被疑侵害者が提出した先使用権抗弁の証拠を通じてその出所を初歩的に確認することができる場合、通常被疑侵害者はその先行技術案の具体的な出所をさらに立証する必要はなく、例えば被疑侵害者が会社の署名付きの先行技術案に関する研究開発書類、技術図面を提出した場合、または出願日より前に対外販売された被疑侵害者が製造した製品を提供した場合、裁判所は通常先行技術案は被疑侵害者より開発されたと判断する。特許権者が先行技術案の合法的な出所に異議がある場合、被疑侵害者が契約約定に違反したり、他人の営業秘密を侵害したりするなどの不法行為があることを、特許権者より反証を提供して証明しなければならない。
したがって、被疑侵害者は先使用権抗弁を主張するとき、まず先行実施された技術がその自身に開発されたか、または合法的な出所があるかについて確認する必要がある。次に先使用権を主張する証拠の中に被疑侵害者との関連性を体現できるかを確認する必要があり、例えば、技術図面、工程書類には被疑侵害者に関わる情報があるか、被疑侵害者と案外者との連絡メール、委託加工契約では被疑侵害者が先行技術案の合法的所有者であることが体現されているか、出願日より前に製造された製品に被疑侵害者が製造者である情報があるかなどが挙げられる。
III. 企業へのアドバイス
先使用権抗弁について、最高裁判所は一部の判例で先使用権抗弁の立証に対して客観的な実情に反する過酷な基準をとるべきではないことを明らかにした。ただし、民事事件は、当事者が自分の主張に対し、証拠を提出する責任を有する立証原則を採用している。そのため、企業は市場活動の主体として、自身の防衛意識を高めるべきである。ノウハウで保護されている技術案について、当該ノウハウを継続的に実施できることを確保するため、企業は営業秘密の保護措置をとるほか、当該ノウハウの実施状況に対して適時に公証またはタイムスタンプなどの方式を通して証拠保全を行って、権利侵害リスクを効果的に低減させたことを提案する。筆者は数多くの多国籍企業を代理して先使用権に関する証拠材料の公証保全を行ったことがある。このような保全措置は他人による特許出願の前に公証の方式で行われたため、その真実性は疑う余地がなく、証拠の効力が比較的に高い。万が一将来特許侵害紛争に直面し、先使用権を主張する必要がある場合、証拠の効力に悩まされることもない。
他人による特許出願の前に関連証拠を公証保全できなかった場合、企業内部で片方で作成された証拠が認められる可能性もあり、その場合、証拠不足のため、先使用権抗弁の主張が否定される不利な局面を回避するため、できるだけ十分な証拠を提出し、信頼できる証拠チェーンを形成させることに留意しなければならない。