(2001年3月28日国務院第36回会議採択、2001年4月19日公布)

第一章総 則

第1条

   集積回路のレーアウト●デザインの専有権を保護し、集積回路の技術革新を奨励し、科学技術の発展を促進するために、本条例を制定する。

第2条

   本条例で下に列挙する用語の定義:

(一) 集積回路とは、半導体集積回路、即ち、基板が半導体材で、少なくとも一が能動素子である二以上の素子と、一部又は全部のインタコネクションを基板の中又は基板の上に集積して一定の電子上機能を執行する中間製品又は最終製品を指す。

(二) 集積回路のレーアウト●デザイン(以下はレーアウト●デザインを略称する)とは、集積回路において、少なくとも一が能動素子である二以上の素子と、一部又は全部のインタコネクションとの三次元的配置、又は、集積回路を製造するために用意する前述の三次元的配置を指す。

(三) レーアウト●デザインの権利者とは、本条例の規定により、レーアウト●デザインに対して専有権を有する自然人、法人又は其の他の組織を指す。

(四) 複製とは、レーアウト●デザイン又は当該レーアウト?デザインを含む集積回路を重複して製作する行為を指す。

(五) 商業上利用とは、商業上の目的で、保護を受けるレーアウト●デザイン、当該レーアウト●デザインを含む集積回路又は当該集積回路を含む物品を、輸入、販売又はその他の方式で提供する行為を指す。

第3条

   中国の自然人、法人又はその他の組織が創作したレーアウト●デザインは、本条例によりレーアウト●デザインの専有権を享受する。
  外国人のレーアウト●デザインが先ず中国国内で商業上利用にされた時は、本条例によりレーアウト●デザインの専有権を享受する。
  外国人が創作したレーアウト●デザインは、その創作者の所属国が中国と関係レーアウト●デザインの保護協定を締結又は共に関係レーアウト●デザインの保護国際条約に加入した時は、本条例によりレーアウト●デザインの専有権を享受する。

第4条

   保護を受けるレーアウト●デザインは、独創性を有しなければならず、即ち、当該レーアウト●デザインは創作者の独自の知的労働成果であり、且つその創作時に当該レーアウト●デザインはレーアウト●デザインの創作者と集積回路の製造者間に公認された一般的なデザインではない。

   保護を受ける一般的なデザインからなるレーアウト●デザインについて、その構成は全体として前項に規定した条件に適合しなければならない。

第5条

   本条例でレーアウト●デザインに対する保護は、思想、処理の過程、操作方法又は数学上の概念などに及ばない。

第6条

   国務院の知的財産権行政部門は、本条例の規定により、関係レーアウト●デザインの専有権の管理事務に責任を負う。

第二章 レーアウト●デザインの専有権

第7条

   レーアウト●デザインの権利者は下に列挙する専有権を享受する:

(一 ) 保護を受けるレーアウト●デザインの全部又はその中の独創性を有する如何なる部分に対して複製を行う。

(二) 保護を受けるレーアウト●デザイン、当該レーアウト●デザインを含む集積回路又は当該集積回路を含む物品を、商業上の利用にする。

第8条

   レーアウト●デザインの専有権は、国務院の知的財産権行政部門の登録を経て生ずる。登録を経ないレーアウト●デザインは、本条例の保護を受けない。

第9条

   レーアウト●デザインの専有権はレーアウト●デザインの創作者に帰属し、本条例に特別な規定がある場合は除く。

   法人又はその他の組織が主催し、法人又はその他の組織の意志に基づき製作され、且つ法人又はその他の組織が責任を負うレーアウト●デザインは、法人又はその他の組織を創作者とする。

   自然人が創作したレーアウト●デザインは、当該自然人を創作者とする。

第10条

   二以上の自然人、法人又は其の他の組織が合作して創作したレーアウト●デザインは、その専有権の帰属を合作者が約定する。約定が無い又は約定が不明確である時は、その専有権を合作者が共同で享有する。

第11条

   委託を受けて創作したレーアウト●デザインは、其の専有権の帰属を委託者と受託者双方が約定する。約定が無い又は約定が不明確である時は、其の専有権を受託者が享有する。

第12条

   レーアウト●デザインの専有権の保護期間は10年とし、レーアウト●デザインの登録出願の日又は世界の如何なるところにおいて初めて商業上の利用にされた日より起算し、より前の期日を準拠とする。但し、登録又は商業上利用がなされたか否かを問わず、レーアウト●デザインは創作が完成した日より15年後に、本条例の保護を受けない。

第13条

   レーアウト●デザインの専有権が自然人に属した時は、当該自然人がなくなった後、其の専有権は本条例の規定した保護期間内に相続法の規定により移転する。
  レーアウト●デザインの専有権が法人又は其の他の組織に属した時は、法人又は其の他の組織の変更、終止後には、其の権利、義務を承継する法人又は其の他の組織が其の専有権を本条例の規定した保護期間内に享有する。其の権利、義務を承継する法人又は其の他の組織がない時は、当該レーアウト●デザインを公共所有とする。

第三章 レーアウト●デザインの登録

第14条

   国務院の知的財産権行政部門は、レーアウト●デザインの登録
事務に責任を負い、レーアウト●デザインの登録出願を受理する。

第15条

   登録を出願したレーアウト●デザインが国家の安全又は重大な利益に関係し、秘密保持の必要がある時は、国家の関係規定に従い処理する。

第16条

   レーアウト●デザインの登録を出願するとき、提出し交付しなければならないものは:

(一) レーアウト●デザインの登録出願表

(二) レーアウト●デザインの複製品又は図面で表示した見本

(三) レーアウト●デザインが既に商業上利用にされた時は、当該レーアウト●デザインを含んだ集積回路の見本を提出し交付しなければならない

(四) 国務院の知的財産権行政部門の規定した其の他の材料

第17条

   レーアウト●デザインは、それが世界の如何なるところにおい
て初めて商業上利用にされた日より二年以内に、国務院の知的財産権行政部門に登録出願が提出されていない時は、国務院の知的財産権行政部門は登録を与えない。

第18条

   レーアウト●デザインの登録出願は、予備審査を経て、却下する理由が発見されない時は、国務院の知的財産権行政部門より登録を与え、登録の証明書類を発行し、そして公告する。

第19条

   レーアウト●デザインの登録出願人は、国務院の知的財産権行政部門が行った、其の登録出願を却下する決定に対して不服がある時は、通知を受け取った日より三ヶ月以内に国務院の知的財産権行政部門に再審を請求することができる。国務院の知的財産権行政部門は再審をして決定を出し、そしてレーアウト?デザインの登録出願人に通知する。レーアウト●デザインの登録出願人は、国務院の知的財産権行政部門の再審決定に対して不服がある時は、通知を受け取った日より三ヶ月以内に裁判所に起訴することができる。

第20条

   レーアウト●デザインが認可を受け登録された後に、国務院の知的財産権行政部門は当該登録が本条例の規定に適合していないのを発見した時、取消を行い、レーアウト●デザインの権利者に通知し、そして公告しなければならない。レーアウト●デザインの権利者は、国務院の知的財産権行政部門のレーアウト●デザインの登録を取消す決定に対して不服がある時は、通知を受け取った日より三ヶ月以内に裁判所に起訴することができる。

第21条

   レーアウト●デザインの登録公告まで、国務院の知的財産権行政部門はその内容に対して守秘義務を負う。

第四章 レーアウト●デザインの専有権の行使

第22条

   レーアウト●デザインの権利者は、其の専有権を譲渡し又は他人に其のレーアウト●デザインの使用を許諾することができる。

   レーアウト●デザインの専有権を譲渡する時は、当事者が書面で契約を締結し、そして国務院の知的財産権行政部門に登録をしなければならず、国務院の知的財産権行政部門より公告をする。レーアウト●デザインの専有権の譲渡は登録の日より効力を生ずる。

   他人に其のレーアウト●デザインの使用を許諾する時は、当事者が書面で契約を締結しなければならない。


第23条

   下に列挙する行為は、レーアウト●デザインの権利者の許諾を経ず、それに報酬を支払わないことができる:

(一) 個人の目的又は単に評価、分析、研究、教授などの目的で保護を受けるレーアウト●デザインを複製する行為。

(二) 前項の保護を受けるレーアウト●デザインに対する評価、分析に基づき、独創性のあるレーアウト●デザインを創作する行為。

(三) 自己が独立的に創作した、他人と同一のレーアウト●デザインに対して複製を行い又はそれを商業上利用にする行為。

第24条

   保護を受けるレーアウト●デザイン、当該レーアウト●デザインを含む集積回路又は当該集積回路を含む物品は、レーアウト●デザインの権利者により又は其の許諾で市場投入された後、他人が再び商業上に利用する時は、レーアウト●デザインの権利者の許諾を経ず、そしてそれに報酬を支払わないことができる。

第25条

   国家に緊急な状況又は非常な事態が起こる時、又は公共利益のため、
又は裁判所、不正競争行為の監督検査部門が法によりレーアウト●デザインの権利者に不正競争行為があると認定して救済が必要である時、国務院の知的財産権行政部門は、そのレーアウト●デザインを使用する強制的許諾を与えることができる。

第26条

   国務院の知的財産権行政部門は、レーアウト●デザインを使用する強制的許諾を与える決定を作成した時、適時にレーアウト●デザインの権利者に通知しなければならない。

   レーアウト●デザインの強制的使用許諾を与える決定は、強制的許諾の理由に基づいて使用の範囲と時間を規定しなければならず、其の範囲は公共利益のために非商業的利用に限り、又は裁判所、不正競争行為の監督、検査部門がレーアウト●デザインの権利者に不正競争行為があり、与える必要がある、と法により認定した救済に限定しなければならない。

   強制的使用許諾の理由が消滅し且つ再び起こらない時、国務院の知的財産権行政部門は、レーアウト●デザインの権利者の請求に基づき、審査してレーアウト●デザインの強制的使用許諾を終止する決定をしなければならない。

第27条

   レーアウト●デザインの強制的使用許諾を取得した自然人、法人又は其の他の組織は、独占的な使用権を共有せず、且つ他人に使用の許諾をする権利を有しない。

第28条

   レーアウト●デザインの強制的使用許諾を取得した自然人、法人又は其の他の組織は、レーアウト●デザインの権利者に適当な報酬を支払わなければならず、その金額については、双方が取り決める。双方に協議を達成することができない時は、国務院の知的財産権行政部門より裁決する。

第29条

   レーアウト●デザインの権利者は国務院の知的財産権行政部門のレーアウト●デザインの強制的使用許諾に関する決定に対して不服がある時、レーアウト●デザインの権利者と強制的使用許諾を取得した自然人、法人又は其の他の組織は国務院の知的財産権行政部門のレーアウト●デザインの強制的使用許諾の報酬に関する裁決に対して不服がある時、通知を受けた日より三ヶ月以内に裁判所に起訴することができる。

第五章 法 的 責 任

第30条

   本条例に特別の規定がある場合を除き、レーアウト●デザインの権利者の許諾を得ずに、下に列挙する行為の一がある時、行為者は直ちに権利侵害行為を停止し、且つ賠償責任を引受けなければならない:

(一) 保護を受けるレーアウト●デザインの全部又は其の中の独創性のある如何なる部分を複製する行為。

(二) 商業上利用とは、商業上の目的で、保護を受けるレーアウト●デザイン、当該レーアウト●デザインを含む集積回路又は当該集積回路を含む物品を、輸入、販売又はその他の方式で提供する行為。

   レーアウト●デザインの専有権を侵害した賠償額は、侵害者が獲得した利益又は権利被侵害者が被った、それが権利侵害行為を制止するために支払った費用を含む損失とする。

第31条

   レーアウト●デザインの権利者の許諾を得ずに、そのレーアウト●デザインを使用し、即ち、そのレーアウト●デザインの専有権を侵害し、紛争が起こる時は、当事者より協議して解決する。協議を望まない又は協議が成立しない時は、レーアウト●デザインの権利者又は利害関係者は裁判所に提訴することができ、また国務院の知的財産権行政部門に処分を請求することもできる。国務院の知的財産権行政部門は処分において、権利侵害行為が成立すると認定した時、権利侵害者に直ちに権利侵害行為を停止するよう命じ、権利侵害製品又は物品を没収、廃棄することができる。当事者は不服がある時、処分の通知を受けた日より15日以内に、「中華人民共和国行政訴訟法」により裁判所に提訴することができる。権利侵害者が期間内に提訴せず又権利侵害行為を停止しない時、国務院の知的財産権行政部門は裁判所に強制的執行を申請することができる。国務院の知的財産権行政部門は当事者の請求に基づき、レーアウト●デザインの専有権侵害の賠償額について調停を行うことができる。調停が成立しない時は、当事者「中華人民共和国民事訴訟法」に基づいて裁判所に提訴することができる。

第32条

   レーアウト●デザインの専有権者又は利害関係社が、他人が其の専有権を侵害する行為を実施している又は間もなく実施しようとしていることを証明する証拠を有し、適時に制止しなければその合法的権益が補填不能な損失を被る恐れがある時は、提訴する前に裁判所に関係行為の停止と財産保全を命ずる措置を取るよう申請することができる。

第33条

   保護を受けるレーアウト●デザインを含む集積回路又は当該集積回路を含む物品を取得し、其の中に不法的に複製したレーアウト●デザインが含まれることを知らずまた知るべき理由がなく、それを商業上に利用する時は、権利侵害とは看做さない。

   前項の行為者は、其の中に不法的に複製したレーアウト●デザインが含まれると明確に通知された後、現有の在庫又はこの前の注文品を引き続き商業上に利用することができる、但し、レーアウト●デザインの権利者に適当な報酬を支払わなければならない。

第34条

   国務院の知的財産権行政部門の職員が、レーアウト●デザインの管理事務において職務怠慢、職権濫用、私利不正を行い、犯罪を構成した時は、法に基づき刑事責任を追及する。犯罪を構成しない場合は、法に基づき行政処分を行う。

第六章 付 則

第35条

   レーアウト●デザインの登録出願及び其の他の手続をする時は、規定に従って手数料を納付しなければならない。手数料の基準は、国務院の物価主管部門、国務院の知的財産権行政部門が制定し、且つ国務院の知的財産権行政部門が公告する。

第36条

   本条例は2001年10月1日より施行する