2020年4月23日に、最高人民法院は「最高人民法院知的財産事件年度レポート」を発表した。当該レポートでは、最高人民法院は2019年に審決した知的財産事件から60件の典型判例を選出し、一定の指導的な意義を有する67個の法律適用問題をまとめたが、最高人民法院が知的財産分野の新型案件、難しい案件、複雑な案件の審理における考え及び裁判方法も反映された。
 
そのうち、弊所が代理した再審上訴人である株式会社MTGが被上訴人である広州市白雲区聖潔美美容儀器廠、広州市聖潔美美容科技有限公司を訴えた意匠権侵害事件「(2019)最高法民再142号」は当該年間レポートに選出された。本事件は弊所が株式会社MTGを代理し、広州市白雲区聖潔美美容儀器廠、広州市聖潔美美容鍵有限公司を訴えた意匠権侵害訴訟事件である。一審裁判所の広州知識産権法院と二審裁判所の広東省高級人民法院はいずれも侵害が成立しないと認定した。弊所は最高人民法院に再審を請求し、最高人民法院は侵害が成立すると判断し、2019年12月に再審判決を言い渡した。最高人民法院は、本件において、意匠権の侵害対比には、共通点と相違点を含めたすべての可視的なデザイン特徴を対比範囲にすべき、対比の際に、一部のデザインがその特殊性で重点的に注目すべきであるが、ほかのデザインが全体的な視覚効果に対する影響がより小さいことで、これらのデザインを無視してはいけないと指摘した。
 
ニュースソース:北京魏啓学法律事務所
日時:2020年4月23日