近頃、弊所が代理した商標無効審判審決取消訴訟事件は一審で勝訴した。 当該事件において、第三者(係争商標の登録者)が原告の先行登録商標と全く同一の商標を登録出願し、原告は係争商標に対して無効審判請求を提起したが、国家知識産権局は係争商標の登録を維持すると裁定した。弊所は原告を代理して、国家知識産権局を被告として審決取消訴訟を提起した。北京市知識産権法院は、一審判決(まだ発効していない)を下し、ある指定商品における係争商標の登録は商標法第30条に違反し、また、原告の引用商標が著名商標であると認定したうえ、残りの指定商品における係争商標の登録は商標法第13条第3項に違反すると認定し、国家知識産権局に改めて裁定を下すことを命じた。

本件の原告は引用商標を商号としても使用しているが、第三者は2019年から原告の引用商標または商号と同一の文字を、未登録の商号として営業活動を行っていた。その時、原告は弊所に依頼してその商標権侵害について警告書を送付したことがある。弊所弁護士より本件第三者と交渉を重ねた結果、当該第三者から弊所に保証書を送付してくれ、当該商号を使用して誤解を招く虚偽宣伝及びその他の侵害行為を行ったことを認め、侵害行為の停止を承諾した。

本件訴訟において、弊所は第三者による上記商標権侵害の関連証拠、原告の先行登録商標の知名度に関する数多くの証拠を裁判所に提出し、原告の引用商標が著名商標に該当し、係争商標が原告の著名商標の複製・模倣であり、その登録使用は公衆を誤認させ、原告の利益を損害し、商標法第13条第3項の規定に違反すると主張した。 同時に、特定のある指定商品に登録された係争商標は原告の引用商標と類似商標に該当するので、商標法第30条に違反すると主張した。

一審裁判所は審理を経て指定商品における係争商標の出願登録は商標法第30条に違反し、原告の引用商標が著名商標であると認定し、係争商標と原告の引用商標は構成、称呼、意味などが全く同一であるため、引用商標に対する複製と模倣に該当すると認定し、弊所の主張を支持した。 原告の引用商標は造語であり、高い識別力を有し、第三者は原告の引用商標と全く同一である係争商標を出願登録したことは、主観的にも正当とは言えない。 また、第三者の所在地は、原告の引用商標が使用された主要な地域であるため、第三者が悪意を持って係争商標を登録出願したことは明らかである。そのため、係争商標の使用は、関連公衆に原告の引証商標を容易に連想させ、不当に原告の著名商標の知名度にただ乗り、原告の利益を損害するため、係争商標の登録出願は商標法第13条第3項の規定に違反した。

当該判決については、被告である国家知識産権局は上訴を提起したため、当該一審の判決はまだ発効していない。