案内:被告が公知意匠による抗弁を主張する場合、公知意匠と被疑侵害製品と事件にかかる意匠との三者関係に対いする判断
 
概要:弊所はタイヤゴム業界の有名企業であるブリヂストン社があるタイヤ製造企業に対して同社が製造したタイヤについて提起した意匠権侵害訴訟を代理した。被告は訴訟で公知意匠による抗弁を主張した。一審及び二審裁判所は被疑侵害製品のみを公知意匠と対比したうえで、累次に該当するという理由で公知意匠による抗弁が成立すると判断した。弊所はブリヂストンを代理して最高裁判所に再審を請求した。再審で、最高裁判所は当方の主張を支持し、被疑侵害製品と公知意匠とは完全に同一する場合のみ、両者だけ対比することで、公知意匠による抗弁が成立するか否かについて結論を出すことができ、完全に同一するわけではない場合、本件意匠を含む公知意匠群を総合的に考慮したうえで、類似するか否かの結論を正しくだすことができると判断した。最終的に被疑侵害製品が本件意匠の公知意匠と異なる特徴を主に利用したとし、公知意匠による抗弁が成立せず、侵害に該当すると認定した。それに基づいて一審及び二審判決を取り消し、侵害行為を停止よう命じ、且つ当方が請求した30万元の損害賠償を支持した判決を下した。本件は中国最高裁により2011年度の中国裁判所知的財産保護50大事件に選ばれた。